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土と草花と

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食器としての器は世の中になんぼでもある。
器のない家はないでしょう。
僕がつくったものを、えらんで、家に持ち帰ったひとがどう、使うか
そういう、器の向こう側を見たい。そう思ってつくるんです。

・・・そんな作り手としての思いを、お話してくれました。
(いま思い出しながら書いているので、すみません、大体の感じで
ニュアンスは違うかもしれないです。)

梅田に近い、中崎町のJR高架下にあるギャラリーイロリムラ α での
濵田啓塑 陶芸展 土と炎の器展 「夜は輝く」。

もとは兵庫の人で、神戸の震災後函館の郊外に移り住んだという
濵田啓塑さんの新作展。
ただの石ころのように見える、思いを託したマイルストーンがまず迎えてくれます。

刻まれた、手の痕跡を伝える描線。それをおそるおそるさわって
(「ああ、触ってみてね。そうせな見てるだけではわからんからね」)、
ああ、この線は土と火から生まれたもんだ・・・と感じます。
そうっとひっくり返した、まさに裏側にもまた、思いがある。
わりとうすい繊細なつくりだけど、手に沿って、あったかい。

気どらない、作者の人柄が手書きの作品プレートにもあらわれて
タイトルと作品を見比べます。滴こぼれしない自信作、って面白い。
oral, after hours と何だか気になる名も並びます。

火の粉が舞い散ったような、あるいは
ちいさな花の実のような粒々が食器やあかりに見えて。

美術家の中島麦さんとの共作もあります。
明快な色彩の陶作品が白壁に映えて(これは花器でもある)そこから
草花の生命が吹き出しそうです。

そうだ。器はそれだけじゃない、お料理やお菓子、果実、草木・・・
いのちあるものと一緒になって、身近につかっていくものだな
と、当たり前のようですが、そんなことを感じて、うれしく思います。

密度が濃かった今週の半ば、この陶芸展に行って
ここに書くのが遅くなってしまいましたが、まだ開催しています。
4/2(月)が最終日。
梅田近辺に行かれたらぜひ。
イロリムラも、ギャラリーがいくつかある面白いところで、
この陶芸展は奥でやっています。

 *   *   *   *   * 

展覧会名称:濵田啓塑 陶芸展 土と炎の器展 夜は輝く
特別展示:濵田啓塑+中島麦(美術家)による共同制作作品を展示
開催日時:2012年3月28日(水)~4月2日(月)
正午~午後8時(最終日は午後6時)
開催場所:ギャラリーイロリムラ α
〒530-0016 大阪市北区中崎1-4-15  電話:06-6376-0593
http://www.k3.dion.ne.jp/~irori-05/

詳細はこの展覧会を企画した友人のブログ http://dandysmile.blogspot.jp/
企画趣旨は http://dandysmile.blogspot.com/2012/02/blog-post_2707.html

by ichirographics | 2012-03-31 12:51 | 展覧会

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