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NYからの紙筒

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NYはロング・アイランド・シティから届いた、紙の筒。
内容物の欄に小さく、certificate とある。

米・グラフィスから"Poster Annual 2012"金賞受賞の
通知が届いたのは昨年2月のこと
その、賞状が届いたのでした!

いまは米国本社のグラフィスは、スイス発祥の世界的なデザイン誌(雑誌は終刊)。
そのポスター・デザイン年鑑に、僕の手がけた
京懐石・和光菴のポスターが掲載されること、ついで、受賞したことが通知され、
僕はその年鑑の完成を待っていました。

ほぼ1年越しに。これは、とっても、うれしい!
遠いこだまのように届く・・・
有り難味を、年頭にかみしめています。

GRAPHIS POSTER ANNUAL 2012 GOLD AWARD
presented to ICHIRO WATANABE GRAPHICS for Kaiseki Resutaurant Wakouan
と記してある。夢じゃない・・・。

ビジュアルは、グラフィスの、金色のGオブジェ。
さきにいただいた、プラチナのGと一緒に、事務所の壁に掛けよう。
励みに、します。




金賞受賞が決まった昨年2月の記事はここ
ポスターの掲載が決まったときのことはここに
Graphis Design 2011でのことはここに それぞれ書きました。
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by ichirographics | 2013-01-07 21:58 | つながる

長野でのチャリティーポスター展、開催中です

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僕が参加している展覧会のごあんないです。

11.3.11-東北支援「チャリティーポスター展」-NEXT

メッセージポスターに託した気持ちが
長野県小海町高原美術館に集まっています。

この展覧会のことは昨秋、ここに書きました
グラフィックデザイナー(JAGDA)有志によるチャリティーポスター展、
今回はその後期展示、61名約120点が集まり、僕は3点を出展しています。
僕は残念ながら美術館へはまだ、行けていません。
八ヶ岳を望む、信州松原湖高原の美しい自然に囲まれた、小じんまりとした美術館。
映像でみるととても気持ち良さそうなところです。
お近くの方、機会のある方はぜひ、ご来場ください。

 *  *  *  *  *

2012年3月11日(日)-3月20日(火)
休館日 火曜日
午前9時~午後5時(入館は午後4時30分まで)

小海町高原美術館
〒384-1103 長野県南佐久郡小海町豊里5918-2
TEL.0267-93-2133 FAX.0267-91-3011
http://www.koumi-town.jp/museum/index.htm
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by ichirographics | 2012-03-12 11:33 | 展覧会

グラフィス、金賞

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米・グラフィスからメールが来て、何だろう?とひらくと
Congratulations.
Poster Annual 2012に掲載が決まっていたポスターが、
いまGold Awardに選ばれたのでした。
思いがけないことでした。

Graphisのサイトで確かめると
Winnerのページに Ichiro Watanabe Graphics の名が
Chermayeff & Geismar や Niklaus Troxler ・・・、
畏敬する世界的デザイナーに混じって、ありました。
(上の画像はその画面です。)

Graphisでは、Design Annual 2011でプラチナ賞をいただいたのと
連続しての受賞。
信じ難いことがつづいている気が、正直どうしてもしますが
でも素直に、うれしいです。

受賞対象となったのは「京懐石 和光菴」のためのポスター。
応募時のdescription には

"Kaiseki Restaurant Wakouan"
A poster I made for a Japanese "Kaiseki" restaurant in Osaka. Here they
serve Japanese cuisine using fresh and natural material in traditional
Japanese style. Copy says: It's a pleasure to have both nature and culture.

と書きました。

自然、文化 ともにあるよろこび。

私たちの、身のまわりにおいては、基本になる、
あたりまえといえば、すごくあたりまえのとらえかた、だけど
見失いがちな、日々のすごしかた。
そういうことがいま、大事かもしれないという
このポスターをつくった時の僕だけでない、チームの思いが、
評価されたんだなあ・・・、と感慨深いものがあります。

みずみずしい感覚で、料理の冴えをみせた和光菴の総料理長 結野さん。
うつくしく、力強い写真を撮影した吉澤さん。
金賞、とりましたよ!

これを励みにして、自らを信じ
これからもどんどん、頑張りたいです。


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ポスターの掲載が決まったときのことはここ
Graphis Design 2011でのことはここに それぞれ書きました。
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by ichirographics | 2012-02-04 01:19 | つながる

グラフィック一枚 グラフィック一ファイル

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学校帰りに事務所に来た娘と、近くのギャラリーで
100ggg books 100Graphic Designers という展覧会をみました。

グラフィックデザイナーひとりの作品が一冊、が100冊になったところでの
記念の展覧会ということで、各人の代表作が展示してあります。

ギャラリー空間でこういうグラフィック作品をみるとき、よく感じるのですが
どう見たらいいんだろう、という気まずさ。
とくに何かテーマ展示ではなくて、今回のようにそれぞれの、
いろんな時点でつくられた広告だったり、まあほとんどポスターが、
その時点での役目を果たしたものがあって それをどうみるか。

固く考えると、作った時点での衝撃、存在感というのは失われている
グラフィックたちに、どう相対しようか。
そんな構えなくてもいいのに、ちょっと思ってしまう。

それで落ち着かなくなって、現物なんだな、と思ったり。
線がきれい、とか、網点が粗いんだ とか、毛ヌキが合ってる(ずれてる)とか、
そういうどうでもいいようなことにかなり気をとられます。
たぶん、印刷物がギャラリーに、おさまってるのが、僕には
基本的にどうも居心地がわるいんでは、と、感じます。

ポスターなりが、編集されて本に掲載されると、それこそ居心地は悪そうですが
でも実際の大きさ(小ささ)は、グラフィックの衝迫力とはまた別物で、
小さな本でふと見たグラフィックに心を奪われて、吸いこまれそうになる
そんなことも、あります。

と思って見てると、娘が、置いてあるiPadで
電子書籍化された各デザイナーの作品を、みている。夢中で。これ、面白いわ。
確かに。これなら拡大もできるし。
同じ場所にある現物より面白い、ってことはないけど、これはこれで。

展示された現物のグラフィックは、やっぱり良いものなんですよ。
だけど、見る側の受けいれが、すうっと整わない場合もあって。

と、いろんな風にみて、ひとつのグラフィックの魅力は、また新たに出てくるな。
そんなことを思いました。

展示はたぶん100人のいま半分で、残り半分は今月末からの後期ということ、
僕はきょう見なかった目当てがあるので、またじっさいに見に来ます。



100 gggBooks 100 Graphic Designers
前期:11月9日(水)-11月26日(土)
後期:11月29日(火)-12月21日(水)

dddギャラリー
〒550-8508 大阪市西区南堀江1-17-28 なんばSSビル1階
11:00A.M.-7:00P.M.(土曜=6:00P.M.まで) 日・月・祝祭日休館/入場無料
http://www.dnp.co.jp/gallery/ddd/
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by ichirographics | 2011-11-10 21:27 | 展覧会

おじいちゃんの映画、叔父叔母の映画

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実家から妹とふたり、川に沿ってすこし歩いて美術館へ。
すっかり夏。振り向けば甲山に入道雲。
見たのは古い映画のポスター展。

「華やかなサイレント映画は幕を閉じ、時代はトーキーへ…」という
字幕ではじまる東和25周年記念の古いフィルムがビデオ上映されている。
ドイツ・ウーファ社の「制服の処女」「ジークフリート」「会議は踊る」、
フランス映画は「女だけの都」「自由を我等に」…
出てくる1930年代からのヨーロッパ映画は、おじいちゃんの世代のもの。
ぼくらはおなじみ「ペペ・ル・モコ」でようやく
---パパがしびれたシーン。

展示されているのは、最初期のはB3より少し大きめのポスター。
映画史に残っているようなもの以外は、聞いたことがある程度か、
もう題名にもぴんとこない、分からないもの。
だけどその頃のポスターが、とりわけ大胆で。
スタアの顔、シーン、スタッフ名、コピー、
手描き原画を、エンピツの下書き線もそのまま製版していて。
軽やかなリボンのような、タイトル処理にに工夫があって。

四六半裁を縦に二枚継いだ、細長いのは
これは劇場の入口、スチールのウインドウの横に立ってたりする
看板のようなポスターのような?

「追憶の映画ポスター展」というサブタイトルがあって
でも、実際にこれらを追憶できるのは…80代も後半?
一部ぼくらはDVDを入手はできても当時の空気はとらえようがない。
有名なものならまだしも忘れられた映画は。
それらの映画を、そしてそれらを夢中で見に行った人々の思い出を、悼む。

中・後期のものは、叔母さんたちが買っていた
「映画の友」誌にあった広告として見覚えがある。
写真じゃなくて。この、絵のタッチ。
ジェラール・フィリップの颯爽。
上の叔母さんが当時好きだったジャン・マレー。

その1950年代のポスターは、こうして時系列に沿って展示されると
どうしても古いものとくらべて、翳りが、ある。

彼のポスターが、生き生きしていたのは、フェデー、クレール、デュビビエ、
オータン=ララ、カルネらが活躍していた時代の映画。
かれらの映画は、ヌーヴェル・ヴァーグとりわけトリュフォーによって
「おじさんの映画」として揶揄・否定されて、息の根を、止められた。

そのトリュフォーの「大人は判ってくれない」のポスターが、ある。
初期のもののように大きくとった空きスペースの質感に憂愁がある。
野口久光のポスターといえば、これだ。

ジャズ、ミュージカル評論家。東和宣伝部の社員。というより野口久光。
かれの時代の快活と、輸入文化へのあこがれを、思う。

ショップで、「禁じられた遊び」と「大人は判ってくれない」の
葉書を買って帰った。


西宮市大谷記念美術館「野口久光 シネマ・グラフィックス」展
7月31日(日) まで。
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by ichirographics | 2011-06-26 11:07 | 記憶

Graphis Poster Annual 2012 入選

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米国のグラフィックデザイン誌グラフィスの
GRAPHIS POSTER ANNUAL 2012 に、僕の作品が入選しました。

グラフィス社から通知を、しばらく前にもらっていて、
その後出版用に必要書類を送ったあと、このブログの右欄に
Graphisサイトへのリンク情報はつけたのですが、
記事としては書くのは初めてです。

書くタイミングが少しずれたのは、
グラフィス・ポスターに入選… とじつはちょっと
正直ぼうっとしてしまい、そのまま目の前に迫る仕事に没頭して
あっというまに、けっこう日が過ぎた今ごろ、
うれしい実感が、じわっとやってきてるようなことです。

選ばれ、掲載が決まったのは、
「京懐石 和光菴」のためのポスター。

自然素材をつかった日本料理の良さに、気付いてもらいたい…
ひたすらそのことを念頭に制作しました。

日本料理を味わうことは、
旬(=自然)と伝統技術(=文化)をたのしむこと。
コンセプトロゴのnature-cultureをキーワードに、
「自然、文化、ともにあるよろこび」を
四天王寺前夕陽ヶ丘の和光菴から、伝えます。



現在のGraphisサイトでは、POSTER ANNUAL 2012にかんしては
LIVE JUDGING と表示されていて、それがどういう段階なのか
先方のシステムがちょっと分からないのですが、そのおかげで
同時に応募した、僕の他の2作品もまだ、見れる状態になっています。

ひとつはワルシャワ国際ポスタービエンナーレの特別カテゴリー
“Chopin Anew”のために制作(入選も)した、
フレデリック・ショパンのポスター“Music is hope.”、

もうひとつは世界中で年々、日々、消滅していく言語があることに
衝撃を受けて制作した、“Language Extinction”。


Public Viewing ということで今のところ公開されているページ。
他の世界のデザイナーたちの膨大な作品も見ていると、面白くて
あっという間に時が経ちます。
僕の作品は、カテゴリーは異なるのですが、
エントラントの名前でソートしたページで
Ichiro Watanabe Graphics 作品として
3つ一緒に見れますので、そのページへのリンクを、下に記します。
よかったらご覧ください。

GRAPHIS POSTER ANNUAL 2012 LIVE JUDGINGページ
・・・・・

肝心の、グラフィス・ポスター2012の実際の本ですが、
いつ刊行されるのか、案内はまだ来ていません。

作品がどう、掲載されるんだろう…。どきどき。
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by ichirographics | 2011-06-20 20:06 | 伝える

BODY WORK 5 に出展しています

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僕が所属しているJAGDA(社団法人日本グラフィックデザイナー協会)
の大阪地区が主催する「BODY WORK展」に、僕も出展しています。
会期は11/29(月)から12/9(木)まで。但し土日は休館です。

僕が出展しているのは、まだ新しい仕事としてポスター1点です。
今年は58名が、「自分とデザインの関係をあらわした」仕事を
それぞれ1点、B1パネル上に貼付、展示します。

デザイナーにかぎらず、デザイン・広告・コミュニケーションに関わる
企業の方、プロをめざす学生、ちょっと・沢山・興味ある方、ぜひお越しください。

会場は長堀橋に近い平和紙業の、紙のショップに隣接したギャラリー。
心斎橋筋からも歩いていけるので、お買い物等のついでにどうぞ。
(土日休館です、何度もいいますけど。ご注意を)

12/3(金)は作者のうち3名のトークショーもあります。
ぼくはちょうど、堺市の「アートブリッジ/バークレー美術家交流展」
(12/3~15。こちらも後ほどアップします)に同じ時刻に参加するので
その日は居れませんが。


以下詳細です。

・・・・・・・・・

JAGDA OSAKA企画展
BODY WORK 5 開催のお知らせ

JAGDA大阪会員58名による、2010年に制作された
「作者」と「デザイン」の関係をもっとも明快に表した「仕事または作品1点」を
「作者の解説」とで構成した展覧会「BODY WORK展」を開催します。

開催期間:
2010年11月29日[月]~12月9日[木]
9:00~17:00(最終日は15:00まで)*土日祝日・休館
◎トークショー+ 授賞式 + パーティー:12月3日[金]18:30~21:00

会場:
平和紙業ペーパーボイス
542-0081 大阪市中央区南船場2-3-23 tel.06-6262-0902
http://www.heiwapaper.co.jp/j/shop/shop.html
「ショップ案内」画面をスクロールすると
ペーパーボイス大阪の案内と地図説明があらわれます。)

JAGDA大阪 BODY WORK ページ http://osaka.jagda.org/bodywork/index.html

[JAGDAとは]
社団法人日本グラフィックデザイナー協会/JAGDA(ジャグダ)は
日本で唯一のグラフィックデザイナーの全国組織。
現在、日本全国および海外に約2,800名の会員を擁しています。
http://www.jagda.org/
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by ichirographics | 2010-11-26 17:42 | 展覧会

いま、グラフィス。

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僕の作品が掲載された“Graphis Design Annual 2011”。
(掲載・授賞については7月、ここに書きました。)
先月事務所に届いたのを、そのときおそるおそる、ぱらぱら、見ただけで
こんどゆっくり見よう、と思って、すごく気になったまま、やっと
今日、はじめてじっくり読みました。

グラフィスはスイス発祥のデザイン誌で、
1944年にチューリッヒで創刊されて以来、世界のグラフィック・デザインの
指標となる作品を紹介してきました。
雑誌としてのグラフィスは終刊、本社は米国NYに移転していますが、
雑誌と並行して、デザイン、アドバタイジング、写真、ポスター、といった
各ジャンルごとの大判の年鑑を、いまも発行しています。
いまGraphis あるいはグラフィスで検索すると、
全然べつのサイトが出てきてびっくり、時代だなあ、と思うのですが、
僕たち同年代とそれ以上の年代のデザイナーには、このGraphisと、
あとCA(Communication Arts)などを見て育った人が多いと思います。
夏に会ったことを書いた、ラルフ・シュライフォーゲルも、たしか
Graphisの表紙を手がけています。

2011版。冒頭に、イン・メモリアムとして物故会員の名が挙げられていて、
そこに、僕がぼんやりイラストレーターを志していた20才の頃
マーク・イングリッシュと並んで憧れていた、バーニー・フックスの名を見つけて
思うものがありました。

掲載作品を、順に見ていくと、アニュアル・レポート、本、ブランディング…と
まだ最初のほうの頁で、掌に汗がにじんでくるのを感じました。
ビジュアル、タイポグラフィ。表現のレベルの高さがだんだん、
ひしひしと聳え立つようにやってきて、身震いするほどです。
そこに、同じ場所に、僕がいることへの、畏れを、感じました。
日頃、何かにつけ、びびっても仕方ない、と自分に言い聞かせてるのとは
…いや、同じことでしょうか。選ばれた事実はしっかり、受け止めないと。

とにかく、美しい。デザインが、表現されたことばとして、強い。
全体として感じるのは、歴史を背後に控えたデザインの豊かさです。
(ちなみにプラチナ・ゴールド両賞の授賞者の地域分布リストをみると、
アメリカ合衆国中心の、ちょうど野球のようなフィールドです。)

僕の今回の作品は「もうひとつの日本」のテーマのもと、
単一性、と思いがちな日本文化の背景には、他の、アジアの文化の多様性がある…
という発想を表現したポスター。そのテーマによるのかもしれませんが
こうやって掲載頁をみると、思いっきり日本、アジア!となることに
あらためて自分の拠りどころ、ルーツを認識させられます。

そしてあらためて周りを、というのはこの本の前後をみて、ですが
ほんとうに思うのは、
想像力だけで、どこまでいけるだろうか ということです。
僕の持っているのは、それだけなのです。


・・・・・・・・・・・・

プラチナ賞を受賞したポスターはこちら、Graphisサイトに、まだ、掲載されています。
赤いお椀です。
http://www.graphis.com/latest/winners/annuals/design/?book=53

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by ichirographics | 2010-10-19 17:19 |

会長さんのエンピツ

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南堀江のdddギャラリーで「福田繁雄のヴィジュアル・ジャンピング」をみました。

福田さんが制作された約1,200点(!)のポスターの中から
選ばれた作品で構成された、追悼特別展でした。

大阪万博の以前からすでに第一線で活躍されている福田さん。
もう戦後から現代にいたるデザイン史の中の人物だし、作品で、
いくつかは、僕らが学生の頃から折に触れては見て、知ってはいるポスターです。
dddはそんなに広くないギャラリーで、ほんとうにコンパクトな展示ですが
初めてみるポスターも多く、ひとつ、ひとつ、現物をじっくり見せてもらいます。

?と!にみちたポスター達。 …もう、凝視するしかありません。 とにかく、

すてきで、力強い。

じつは僕は、福田繁雄というデザイナーは、シニカルで、ひょっとしたら
冷たいほどの知性の人ではないか、という勝手な印象を、長いこと持っていました。
あまりにシンプルに切り詰められた表現なので。

それが、実際にお人柄に接する機会があって
それは2年前、2008年夏、JAGDA(日本グラフィックデザイナー協会)大阪大会で
当時会長の福田さんが、総会でお話されて、そこですでに、意外に
(失礼かもしれないけど)天然の方なんだ…と身近に感じたのですが、
あとの交流パーティの開会で、なにか「あいさつ」を期待してた僕らは、
テンガロン・ハットでイェイ!
と登場されたのにすっかり度肝を抜かれて、拍手喝采。
勝手な理知的印象は、もうあっさり、崩れ落ちたのでした。

思えば、切り詰めた単純性を、無機質と勘違いしていたのでした。
福田さんの、トリックをテコにした表現の底にあるのは、ユーモア=ユマニテ
あまりにも人間的な、共感なのだと思います。

その、2年前のことです。
福田会長が話されるのを、僕らは舞台の袖できいていたのですが、
すごく印象に残ったことがあります。
そろそろパソコンに慣れないとと思ってるんです、というお話をされて
「でもね、たぶんこれからもずっと変わらないと思う日課があって、

まず机に向かって、今日使うエンピツを削って、それをきれいに並べるんです。
それが僕の一日のはじまり」

とおっしゃられた。


その感覚を、気持ちを、僕はデザイナーとして持っておきたいなあ、って思います。
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by ichirographics | 2010-09-03 11:55 | 展覧会

LOVE, 不可逆な

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スイスのグラフィックデザイナー、ラルフ・シュライフォーゲルさんの講演会「スイス・グラフィックの変革」をききに行ってきました。
まず、バーゼル派、チューリッヒ派の知らないポスターが見れたこと、
若者の反乱(それがいつの時代のことか説明が飛んだのが残念)があって、一種のコミューンのようなその動きが終息するまでの一年半の間にたくさんのラジカルで文化的な試みがなされた事を聞けたこと、は興味深かったです。
シュライフォーゲル(覚えてられるだろか、僕には取っかかりのないドイツ名前)さんの、一見不可解なビジュアルが、トレスコープ(!ほとんど忘れかけていた!)での紙焼きの可能性に魅せられて、造形の可能性を模索することからはじまり、生まれたこと。
ボール紙を切り抜いた手づくり文字にラップを張ってつくった凹面に水を湛えて、そこに光を当てる。下の層にはロシアのイコンをぼんやり透かせて。あるいはガラス面が干渉してニュートン・リングが。
…といった、作品づくりのプロセスを語ってもらうことで、彼の内部で起きた動きを身近に感じることができました。

他言語国家スイスだから、ということもあるのか、
ことばの両義性・多義性をテコにした強い表現が、僕には一番興味をひかれるところでした。
メッセージの根元的な意味を「かさねる」「ひっかける」。
あるいは近作のクリス・マルケルのポスター(両面ポスターだった!)で見られるような「表・裏」。

浮き出し文字が下から LIVE(生)、上からは EVIL(悪)と読めるポスターがあります。
ある企業家個人から、一家言にしている「善人が何もしないと悪が勝利する」という格言をポスターにしてほしい、という依頼を受け、悩み抜いて作ったもの。とはうなづけます。しかしさらに、
その企業家は母方が東欧ユダヤ人で、ホロコーストの資料館をつくりたいという意図を持っていることを考慮した…、と聞けば、このシンプルなポスターのメッセージは、ぐん、と重みを増して迫ってきます。
EVIL(邪悪)と LIVE(生き抜く)。

シュライフォーゲルさんは言います、何が悪か、生かは各個人が向き合わないといけないことだと思う、と。
…断定するのではなく、判断を見る人に委ねる姿勢に、僕は感銘を受けました。

講演後、小さな作品集を求め、シュライフォーゲルさんと話をすることができました。だんだんあなたの表現はシンプルに、力強くなってきていますね、というと「ああ、それを言うのを忘れてたよ」と。それで、僕はこれが一番好きです、と <LIVE = EVIL>を指すと、彼は名前のサインの下に、斜角を暗示させるブロック体で、LOVE と書いてくれました。
「これは逆さに読めないですよね?」ときくと、さあ、どうだろうね、とほほえみを。
LOVE = 愛は不可逆。
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by ichirographics | 2010-08-10 13:13 | 伝える