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知りたい

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東北へ、行ったことがない。

ずっと以前、仕事で使いたい写真が
仙台の、ストックフォトのエージェントにあって
電話に出たかたのやわらかい言葉と、その背後の、その事務所のある
まだ見ないうつくしい街路の、澄んだ空気を感じて、
ああ、いま東北にかけてるんだ、とどきどきしたこと。覚えてる。

宮沢賢治。大瀧詠一。寺山修司の、あの時計。・・・
出てくるのがこれくらい?
でも東北の心優しい友だちが、少しずつ出来てきて。
東北のことばを、でもいま、テレビからはよくきくようになって。

きょう、船場に出たので、そうだ、と思って
まだ入ったことのない、心斎橋の
「青森・岩手・秋田」観光物産館jengoへ初めて寄りました。
入口には、なまはげが立って、長堀通りをニラミつけてる。
中には色々な食品、菓子、お酒など特産品。それから奥には民芸品。

ひととおり眺めて、最初に目についた
子どもらの好物のアジの煮干しがぎっしり詰まった袋をひとつ、買いました。

岩手の、宮古産のおやつアジ。
お土産に家にもって帰ると、ワイルドな味わいが新鮮で
子どもはまんがを読みながらぽりぽり。



心斎橋にある東北。
大阪で、東北を味わって。
関西に、もっと東北が、あってもいいと思う。
関西も、東北も、なくて、日本が大きな家だったら。
ここは、東北になる。

美味しく、楽しい東北を
うつくしいみちのくを

これから

東北を、もっと知りたいです。
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by ichirographics | 2011-03-25 01:22 | つながる

普通のこと

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この数日。

東北の震災を見て、どう受け止めたらいいのか、わからないまま
ただ目の前のことに追われて過ごしていました。

こんなときに仕事にかまけているのが、とても変な
正直つらい気がしていました。
でも、かといって、それをしないことは違う。

出勤して、アイデアを練って、提案や打ち合わせをして
自分のこともして、友人と話して、日用品を買って、小さな用事を、
洗い物をして、ゴミを出して、駅まで走って。

普通のことをする。普通のことをできるのが、
どれだけ稀少で有り難いことか、と思いました。

日曜、月曜と事務所で仕事をしながら、せめて状況を知るために
NHKのラジオをつけていたけど、いま、何が起きているのかすら、
ここ大阪にいてもわかりません。

でも、まず自分がしっかり、普通にいないと何もはじまらない。
大事なことはちいさな、普通の生活のなかに絶対あるはずだ、と
これからのことも、答えはみつかりませんが、
そこからはじまると思います。

いまはただ、亡くなった人のことを思います。
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by ichirographics | 2011-03-15 16:52 | つながる

ちょっと横道に

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赤瀬川原平の「奥の横道」(日本経済新聞社、1999年)を古本で買った。
期待した通り、今読んでも、面白かった。

いまブログが、もうそれも古いとかいうことになってるけど
この本の、エッセイというのでもない姿は、いまのブログを先取りしていて
この人がそうっと用意してくれた道を、ぼくらはそうと知らずに
歩いているのではないか、と思ってしまう。
ただブログを予感させるといっても、この本の
本文用紙にスミ1色刷りという制約(初出は新聞連載)のなかにあっても
写真の解像力、あるいは語る力はさすがに、雄弁だ。

いまはなんだか老人力の、いっぷう変わった癒し系のおじさんだが
その昔赤瀬川原平といえば、正体不明のラジカルな前衛美術家で、
千円札事件や櫻画報の仕事で僕らは知っている。
結果的に、はたから見たらきなくさい仕事だが、それらはたぶんこの人の、
芸術をする自意識をどんどん消滅させて、手わざの痕跡どころか
宇宙まで閉じ込めてしまう不可避の道にできた産物だったんだと思う。
その、不可避の道の果てに辿りついたのが超芸術トマソン。
いや、果てというと終わったみたいだけど
その後のライカ(!弟がはまった。出てこれない)、新解さん、
文学者尾辻克彦として…と色々、考えたらすごい。こんな人他にいない。
突きつめたあとの抜け方が、すごいと思う。それもどこかトボけて、天衣無縫で。

頭脳というよりは目わざのスゴさをつうじて、
意識を拡張してくれているように、この本を読んで改めて思う。

この人のいまのところ最大の功績は、やはりトマソンだと思う。
作者がいないトマソンは、見る側に属している。
身も蓋もない言い方だけど、言ってしまえば、トマソンは、ただ
現実の裂け目を見つけようとする気持ちの、あらわれだ。
あるいは気持ちのあはれ。
見る者にしか存在しないからだ。
それらは凍りついた手わざ。おきざりにされた過去の時間。

この本の写真はゆったりした気分も含んだもので、でも、じっとみていると
叶えられなかった祈り… そんな言葉が浮かんでくる。


印象に残った文…
「それにしても人間というものは、その時代その時代のマインドコントロールに
かかって生きているもんだとつくづく思う。過去を振り返るとそのことがよくわかる。
ということは、いま現在はどんなマインドコントロールにかかっているのか、
将来振り返ってみるのが非常に楽しみになってくる。」


高松次郎の訃報についての文章に添えられた、明るい窓に向いた机上の原稿用紙と
筆記具、消しゴムの、ひっそりとした祭壇のようなたたずまいの写真が心を打つ。
生きた時間を切り取る写真は、祈りのためのものかもしれない、と思う。


「とにかくちょっと脇にそれさえすれば、旅はどこにでも待ち構えているものらしい。」
…すてきな言葉。
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by ichirographics | 2011-03-09 02:10 |

蛇腹の子供たち

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ジャバラをつかって空気を送り、リードを震わせて音を出す。
ひとの呼吸にとてもちかい、息づかいの楽器。
右手がボタン、左手もボタンの
クロマチック・アコーディオンの演奏者があつまる
レ ゾンフォン デュ スフレ
(スフレの、アンファン=蛇腹の、子供たち)がきのう、行われました。

クロマチック・アコーディオニストかとうかなこ門下生の発表会です。
小学5年生から、上は…60代中盤?まで、30名の生徒たちが
友人や家族の前で、日頃の練習の成果を披露します。

今回で5回目、緊張の発表会は、いつも、どきどき。
ステージ上の緊張が、見ているほうにも伝わります。

ぼくも生徒なのですが、今回は出演はなし。
初めてのことなのですが。レッスンには行けてないので。
だけど、僕にとって特別な場。
裏方として、舞台袖から仲間の演奏を見届けました。

音色も、息づかいも、人によって本当にさまざま。
一生懸命な姿が、ほんとうにすてきでした。
この日に向けて練習してきて、それぞれ持てる力の全部を、出し尽くして
ステージから戻ってくる生徒さんの
へとへとのあとの、だけどやり切った満足の笑顔が、すてきでした。
その場にいて、よかった。

みんな、よくがんばった。お疲れさま!


* * * * *

写真は、デザインしたチラシと、参加品のバッチ。
頑張った人の、しるしです。
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by ichirographics | 2011-03-07 18:53 | つながる

しおりのゆくえ

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スピン、といいます。と、
出版社の人にむかし教わりました。
しおりひも。
あるいはただ、ひも。

本の、読んだところに挟みます。役割としては。
Bookmark、と言えば確かに機能をあらわしていますが
何かしっくり来ない。
お気に入り、とは呼べないし。

お気に入りと言えば
読んでる間、背の向こうに垂れさがってるのを
指にくるくる巻きつけてみたり
編目の感触を無意識に楽しんでみたり。

は機能とは言えないけど

内容によって、見返しや花ぎれとあいまって
色変わりであかるくしたり、シックにしたり
本の表情を変えるのは、補佐的だけど大事な役目。

そんなしおりひもは
文庫本では新潮文庫についていて、
でもブックオフで買うと、これが切れています。

天面と小口を、グラインダーか何かで削って
古本をきれいにする工程でどうしても切れてしまうのでしょう。

汚れた面をきれいにして、本を再生してくれるのは良いんだけれど
この、生えぎわで切断されたまま本文に挿まっているひも。

しおりとして使えるか、やってみたけど
どこにもくっついていないひもは、頭をまっすぐ出して挿むしかないし
ひらくとするりと落ちてしまいます。

切れた、ひも。

どうしたらいいんだろう。



* * * * *


田辺聖子さんの本を、はじめて読んでます。
「文車日記 ‐私の古典散歩‐」
ページをゆっくり、繰りたい本です。
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by ichirographics | 2011-03-03 12:08 | 身体感覚