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春が

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息子と近くを自転車で。
二週間前は雪で真っ白だった地面も
青くなってきました。

連日終電までパソコンに向かってこわばっていた
身体が、草の匂いの空気を吸って、少しずつ
ほぐれてきます。

倒木を、くぐり抜けて
土手道のお終いで急に落ち込んでいるのを
さらに行き、底をすこし歩いて斜面を登ったところの
梅を、息子が、先に見に行きます。

遠めにはまだ、紅くもない。つぼみも小さく。
まだ、まだ。

でも、もうすぐ。
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by ichirographics | 2011-02-26 19:20 | 身体感覚

今日から、和歌山で

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渡辺美香子の特集展が、和歌山近鉄で、3/9(水)まで行われます。
奈良近鉄の展覧会が一昨日無事終了し、中一日で今月は2ヶ所での開催ですが
べつに巡回展ではなく、それぞれ単独の展覧会です。
和歌山近鉄の5階、美術画廊のほうではなくアートスペースでの開催、
小さな会場だそうですが版画・原画展です。

このあと四月にやはり2ヶ所、大阪上本町と広島での個展があって
彼女はつねに、絵を描いていて、絵描きだから不思議はないですが
色鉛筆画の教室も、春からは梅田の産経学園に昼の講座がふえるのと
アベノ近鉄では新規に開講、と隙間ないほど、絵に浸かった生活。

でも隙間をつくって、人と会ったり、たまの好きなことしたり
まず基本は母親、娘は通学で六時半には出るのでお弁当づくり、
今日も小学校の行事、とよく頑張ってくれてるなあと思ってます。

と書いたのは

和歌山近鉄、同じフロアの美術画廊のほうでは
「八代亜紀絵画展」をやっていて、今日はサイン会らしいのですが
そのページで彼女のことばを読んでふと思ったからです。
短いメッセージ文の中からさらに部分を、抜き書きしますが

「歌は私の命。そして、
 絵はそれを支える精神です。
 アトリエは、私のギアチェンジの空間です。・・・」

と、八代さんの中での、歌と絵の関係を書かれていました。

実際、しごとが分野が違うのがふたつ、あるいは複数ある人も意外といて
例えば僕らがCDで知るフィドルの名手が普段は村で大工している、とか

自分のなかでのバランスを、どう取ってるのかなと僕はよく思うし
でも、誰にでも、生きてる姿にはいろんな場面がある。
特別なことではないかもしれないな、と。

八代亜紀さんは、もちろん日本を代表する歌手ですが、
だからといって、そのひとの絵を、余技、という風には思いたくなくて
絵から音楽に戻ったときに得たもの、その振幅が
ひととしての幅をつくっているのだろう。
全部、もちろん生活者としての顔もひっくるめて、そのひとなんだ。


・・・・と、そんなことを思ったのでした。脇道にそれましたが

妻の色鉛筆画家、渡辺美香子の個展は、本日初日。
こんどの日曜27日と、3/6の日曜、本人が在廊します。
もしどなたか、お近くに行かれることがありましたらぜひ、お立ち寄りください。


上にあげた画像は、約12×7センチの小さなサイズの絵です。
タイトルは「永遠のしあわせ」です。


* * * * *

渡辺美香子 版画・原画展
~穏やかなひととき~

2011年2月25日(金)~3月9日(水)
近鉄百貨店和歌山店 5階 ART SPACE
午前10時~午後7時
在廊日 2/27(日)3/6(日) 午後1時~5時

近鉄和歌山店
〒640-8546 和歌山県和歌山市友田町5-46
http://www.d-kintetsu.co.jp/store/wakayama/
電話(073)433-1122(代表)

渡辺美香子ブログ http://ameblo.jp/immk709/
渡辺美香子の世界 http://www.eonet.ne.jp/~mikakoworld/index.html
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by ichirographics | 2011-02-25 16:45 | 展覧会

おいしい讃岐弁

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昨日、堺筋本町へ打合せに行ったので、そのあと新日本印刷のギャラリーへ
「藤本誠/讃岐の方言グラフィックデザイン展」を見に行ってきました。

讃岐弁をモチーフにしたB1サイズの「グラフィックアート」約30点は
ユーモアたっぷり、アイデアに満ちていて、作者の藤本さんの、
柔軟な発想と、そして旺盛な制作力に驚かされます。壮観です。

それが、すてきだったのが、ギャラリーの入口で記帳すると
営業部のかたが声をかけてくださって、ぼくが作品を見て歩くのに、
そのあとずっと、ついてくださったこと。

新日本印刷さんは本社が高松市、その方ももちろん香川のかたで、
方言をひとつ、ひとつ、解説!してくださって。それも
この作者の藤本さんは、香川の西側で、その方は東寄り。
「これは言うかなあ」「これは、言います!」と、
地域によって微妙に、ときにははっきり違いがあることから、

年代によって使わなくなっていることばがあること。
大阪の立ち飲みで、たまたま隣り合わせた人が洩らした「むつごい」
(=こってりした油こい味)がまぎれもない讃岐弁だったこと。
あるいは、ご自身が子供の頃よく使ったことば。
これは、こんな風につかいます、と実際のやりとりを聞かせてくださって。
お話を聞いていると、目の前のビジュアルの背景にある状況が浮かびます。

おそらく会場にはほかに一組のお客さんがおられただけで、たまたま
応対していただける余裕があったのだと思います。ラッキーでした!
美術館の音声ガイドよりも、何よりも、
生きたことばで説明していただいて、なんて贅沢な体験。…とは
あとで出てから思ったことですが、

人が喋ってこそ、のことば。
方言は人だなあ。

と、
そんなことを、しみじみ、実感したことでした。
本当に、ありがたく思いました。
とても楽しい時間を過ごさせていただきました。


ちなみに、ぼくがとても印象に残ったことばは

ひにしる
ちみきる

それぞれ、つねる、つみとる、という意味。
この微妙な、指先の感覚の表現が、すてきでした。
気に入った讃岐ことばです。



会場で、きれいな20ページの展覧会パンフレットと、
楽しい「讃岐弁100問検定試験」をいただきました。
写真はそれをけさ撮ったものです。

* * *


讃岐の方言を料理する
藤本誠/讃岐の方言グラフィックデザイン展

2月21日(月)~26日(土)
11:00~19:00

541-0056 
大阪市中央区久太郎町1-9-2
新日本印刷株式会社大阪支店
SNPクリエイトタワー 8Fギャラリー
06-6262-6555
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by ichirographics | 2011-02-24 11:51 | 展覧会

古寺の甍 無量の想像力

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「古寺の甍」(こじのいらか)(1977 河出書房新社)を読んでいる。古本だ。
著者の多田智満子はマルグリット・ユルスナールをたぶん、初めて訳したひと。
そのひとが、古い寺を訪ねて歩いて書いた文章。
こういう、日本のことを書いた本があるのは知らなかった。
最初、あの多田智満子?と思って手にとると、出てくるのが関西近在の寺。
歴史、名刹とかに疎く、でも年相応に、六甲に住んだひとが書いてくれた本で
勉強して、いつか近所の寺を歩くのもいいかな。と思って買った。
これが、ふつうの渋いお勉強ではなかった。いい。

たとえば鞍馬寺。
奥の院の、底無しの静けさのなかにたちつくす義経に思いをはせる著者が
山門の木札をみてこれはおかしいと菅長に訊くあたりから、
650万年前に金星から鞍馬に降臨した魔王の話、寺の本尊である毘沙門天との
オカルト的なかかわり、天狗についての考証、と
荒唐無稽な縁起が誘う、混交する世界に迷いこんでいく。
印欧、東アジアと、文化の源泉をたどる眼の、奥行きと、
時空を、まるで天狗のように行き来する想像力。

参詣の導入部としての、石段が、冒頭から何度か出てくる。
簡単な描写だが、石段をのぼる生身の感覚は、後年、
著者が入院生活の中から紡ぎ出し、のちに遺句集に収められた句に
鮮烈なイメージとして出てくることに思い当たる。
これはあの句の、…と思って読み、胸を打った。
それは遺句集「風のかたみ」所収の、例えば

ぐらぐらの石踏むや夏の澤登り

あるいは

水すまし水を踏む水へこませて

…これらは著者が病室を一歩も出ないで、たぶん肉体の記憶から生み出した
生のイメージなのだ。


青岸渡寺の二部にいたっては現実の紀行文は後退、ほぼ消滅して、
あるのは水けむりにとりかこまれた一筋の滝への夢想に発する思索に終始する。
紀行なのに、ほとんどがイマジネーションだけの世界。

想像力だけで、どこまでいけるのか。
天狗よりも、神話のヤタガラスよりも、多田智満子の飛翔が驚異だ。

でも頭の中だけじゃない。
もちろんこの本は多田さん40代、実際に歩き、触れ、感じた世界の記録でもある。

播磨の鶴林寺で鐘を撞いたときの描写がある。
「…ふつうの梵鐘の、あの重く沈んだ盤渉調の響きではなく、カーンと冴えて、一切のもたもたした煩悩を、吹っ切るような音色である。しかもそのあとに、透き通った沈痛の余韻を残し、ただの一音で無量の音楽をひびかせている……。」
それは実際どんな音だったんだろう、と思う。

載っているのは全部で17のお寺。
電車の行き帰りで読んでいる。1篇、1篇、楽しんだ。楽しんでしまった。
あとふたつしか残っていない。



写真は11日の朝に見た木。雪の、名残。
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by ichirographics | 2011-02-19 10:53 |

発足

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このバレンタインデーに、設立したばかりの事務所。
パソコンをつないだだけの、まだがらんとして声がひびくオフィスに
きのう、名刺を納品に行った。
あとツール等、もろもろの打ち合わせが一段落するとお昼すぎ。
食事行きませんか、と誘われた。
揃って一緒に行こうよ、と声をかけられた若い代表は、言った。

いや ぼくは残っときます、
どんな仕事が、いないあいだに飛び込んでくるかも知れませんから。

たしかに、外国とのやりとりもあるので
昼休みに連絡が入る可能性はある。誰かが居ないと。

とはいえ、この言葉の、気持が、あとの半日、ぼくを照らしていました。
開業したて、これからいろんな仕事がやってくる事務所。
ぼくの、大切なお客さん。


がんばって、大きくなってください。
応援しますよ!
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by ichirographics | 2011-02-18 13:17 | つながる

明日から、奈良で

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妻の渡辺美香子の色鉛筆画展が、奈良近鉄ではじまります。

彼女は、旅や、ちょっと近くの里歩きで出会った景色、また
心に浮かんだ情景の絵を、普通の油性色鉛筆で描きつづけています。

今回は2年ぶり、3回目になる奈良近鉄美術画廊での個展。
広い会場で、ゆったりご覧いただけると思います。

*  *  *  *  *

~色エンピツで描く心やすらぐ世界~
渡辺美香子 色鉛筆画展

2011年2月17日(木)~23日(水)
近鉄百貨店奈良店 5階 美術画廊
午前10時~午後8時 (最終日は午後4時閉廊)

*  *  *  *  *

作品構成は原画が35点 大きめの版画が10点弱、
超最新作は 10F変形 作品です。

会場は、
大阪難波駅から急行で約30分、京都からも特急で約30分
近鉄奈良駅からは約5分、の
「近鉄大和西大寺駅」下車すぐ
ならファミリー内の近鉄百貨店奈良店5階。

駐車場完備で最初の2時間までは無料です。

本人は今週末、19日(土)20日(日)の午後1時~5時、在廊します。

近鉄沿線のかた、奈良近郊の、また奈良へお出かけのかた、
ぜひお立ち寄りください。


近鉄百貨店奈良店 http://www.d-kintetsu.co.jp/store/nara/

渡辺美香子の世界 http://www.eonet.ne.jp/~mikakoworld/index.html

渡辺美香子ブログ http://ameblo.jp/immk709/

*  *  *  *  *

彼女は堺市出身、仁徳天皇陵の近くで生まれ育ちました。
平城宮を近くにひかえる近鉄百貨店奈良店のあるのも、古墳群の地。
みずうみがあって、森が浮かんで・・・
案内状に使われたこの絵は、お堀を前に見たご陵のイメージ、
時への思いがこめられています。
タイトルは、「悠久の思い」。
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by ichirographics | 2011-02-16 11:40 | 展覧会

雪ポスト

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海が見たことがないというので、しょくぱんまんが背中に乗せて
飛んで連れてってあげたら、太陽にあたって具合が悪くなって、
ユッキーは…溶け出したんだっけ。
つづきを忘れてしまったな。
子供が小さいとき、あんなに何度も見たのに。
そんなユッキーのことをちょっと、思い出しました。
みんながつかう郵便ポストに、こんなことするなんて


・・・素敵です。


わが町に、雪ふたたび。
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by ichirographics | 2011-02-15 00:11 | 記憶

残り雪

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おとといの雪が、駅へつづく商店街のそこかしこにも。
草土に残っているのはきれいなままだ。

日曜出勤。平日の仕事にやっと追いつく感じ。
夕方、事務所を出て帰りみち、
高島屋の「東大寺本坊襖絵完成記念 小泉淳作展」を見にいく。
蓮。桜。日曜美術館で見たのと比較している自分に気づく。
テレビの映像をなぞっている。せっかく実物の前にいるのに。
変な感じ。
この襖が、じっさい建具として桟に嵌まって、部屋を囲んでいる状況を想像してみる。
だけど、ぜんぜんうまくいかない。東大寺は忘れることに。

「奥伊豆風景」「雨後」など、ちょっと前の絵が、ごつごつして、
民話的なものがあって、ほっとする。やっと人が、見えてきた感じ。
「岩木山」。冠雪した山頂の際だちと、麓の暗みに沈む山里との対比が
ずうっと見てても、離れてみても、魅力的だ。
これと、「白山残照」という大きな絵が、ベンチをはさんで
だいたい対角線上にあって、座って、距離をとって、交互にみる。

今まで美術館のベンチは、歩き疲れた老人のためのものだと思ってたけれど。
これは…ぜいたくな時間の使い方かも。

大根の葉、墨蕪図、筍…。野菜を描いた静物画がある。
かぶらの先っぽの細い細いひげが、さっきみた山塊の、大地の皺とおなじだと思う。
それがちょっとユーモアがあるようで、面白いSFを読んでるようで。
こういうのを一生懸命、たんねんに描いていることも思う。
ひとつの生き物のなかに、宇宙がひろがる。

一階おりて、美術画廊の「小泉淳作展」も見る。
「シーラカンス」などやっぱり気さくな諧謔に出会う。雲中の龍。浮かぶ茄子。
ここは市場だ。ひとつひとつに値段がついている。成約を取りつけようとする社員は、
でも、僕には声をかけてこない。


展覧会と、売り場と。
近くから。部屋の反対側の遠くから。見たいのは何度も。
絵を、色んなふうに見て。何にも買わずに、ただ見て。
頭に残ったのは、岩木山の白い残雪。
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by ichirographics | 2011-02-14 00:19 | 照応

白におおわれる

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けさカーテンを開けると真っ白の世界。
息子と、家のまわりを見に出かけました。

積った高さを手ではかると7~8センチ、
積雪で大変なかたには呑気な話だと思いますが
こんなに積もるのは近年にないこと
子どもは一変した世界に感動しています。ぼくも。

靴の下からきこえる踏みしめる雪の音。
横なぐりの風がつくった雪のかたち。

雪におおわれた白の世界では
動いたものの跡と、動いているものだけがくっきり。




すっかり冷えて帰り、
乾いた靴下に替えて今日は休日出勤
息子と一緒に大阪市内へ出ると
街はふつうの雨上がり、
日陰にちょっと白いのが残っているていど。
市街と郊外との、いつもとおなじ気候の差でした。

降らないところには実感がない。

大雪で大変な地域の方々には
心からお見舞い申し上げます。
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by ichirographics | 2011-02-11 17:14 | 空間

うつつ

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「うつつ 有果里 個展」がひらかれていたのは
茨木駅前、通りから少し入った旧家。

作品は手漉きの紙に描かれた夢・うつつのあわいの世界。
昔ばなしに出てくる山里の、日の落ちたあとのような闇に
ポワンと浮かんでいるかたちが
僕には眼をとじたとき現れる光の球みたいに見えました。

玄関を入ってすぐの客間をギャラリーに、
つづく、ひょっとして座敷だったのをつなげて今日びのカフェに。
ひっそりした住宅地の古い屋敷を改造した空間です。

ここは、どう使われていたのかな、と想像しながら
もとは濡れ縁だったろうテラスに面した窓辺のテーブルで
友人とふたり、たあいない話にうつつを抜かして過ごしました。
古い家でうまれる会話は、やはり古きに縁をたどっていきます。

この家のことを、コーヒーを運んでくれたときにきくと
100年くらい前のおうちを、リフォームしたんです、
トイレも今のじゃない、古くて良い感じなんですよ。と、
にこにこ、若いスタッフの女性は話してくれました。

偏りのある本読みの僕としては、書棚に並んだ本の
定番的な偏りのなさがちょっと気にかかりましたが、
それはブックカフェというスタイルへの無いものねだりでしょう。

湯気がたって、知らない人を迎え入れてくれる。
座る場所が用意されてあって、すてきな笑顔がある。

生きた古い家の、いい感じの時間を
しばし娯しませてもらいました。





うつつ 有果里 個展は2/22まで

la galerie
〒567-0888
大阪府茨木市駅前1-8-28 GLAN FABRIQUE 1F
電話:072-621-6953
http://glanfabrique.com/

有果里さんのブログ:http://yukari515.exblog.jp/

うつつを教えてくれた友人のブログ:http://dandysmile.blogspot.com/
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by ichirographics | 2011-02-08 11:21 | 空間