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16年

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天五中崎商店街。

古書店の、奥から店先へ、ゆっくりと
本の束を捧げ持つように、何度も往復しているおじいさん。
店開きのしたくだ。
その邪魔にならないように
ワゴンから川端康成、中の棚から大岡信をえらんで、500円。
奥のレジで払い終えて出るとちゅう、一冊の背に目がとまった。
ぼくが装丁した本だ。

手にとって、見返し、扉から本文の感じをゆっくり、久しぶりにたしかめる。
昔の自分だけど、いい感じでつくられている。

カバーもまだきれいで、天がかすかに汚れているくらい。
僕が出版社からもらったぶんはあまりないので、買おう。

レジに戻ってその一冊をさしだすと、
「それは珍しい本ですよ」と店主。
これは、出来あがったときに著者の藤本さんが、
僕の今までの本にない感じやな
と気に入ってくれたのだ。
「これは、僕が装丁した本なんです。むかし、若い頃に」
と僕が言って、扉裏のクレジットをふたりで見る。
ゆっくり、高齢の店主は言う。
「本は、巡りあわせ、って言いますよ。本との出会いはね」

通りに出て、袋からまた本を出す。
自分がレイアウトした奥付を、あらためる。
1995年1月6日発行。

16年経っての巡りあい。
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by ichirographics | 2011-01-29 20:35 | つながる

カモメ

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橋の上で立ち止まっただけなのに
みんなで飛んできた。

なにもあげるものないよ。

持ってたデータも出しちゃったし。



いまさっき、入稿の帰り。道頓堀川で。
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by ichirographics | 2011-01-28 12:02 | 身体感覚

変わっていく

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昨日まではあった。
今日はない。

ここが何だったか、いまだからそりゃあ覚えてる。
でもずっとずっと先になって、思い出せるか。
こうして気づいたから覚えていられるか。
どうか。

利用してないからそんなに思い入れはない。
ガソリンスタンドだ。

車が舗道をふさいでたからスタンドの中を横切った
その場所は、いまは囲いで通れない。
これからも通れるかな。どうかな。

車を誘導するあかいエネオスのお兄さんたちの声のあかるい張り。
それは覚えてる。いまは。
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by ichirographics | 2011-01-27 12:01 | 記憶

丘の町で色鉛筆画展

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色鉛筆で絵を描いている画家、僕の妻の渡辺美香子の個展が
久しぶりに東京方面で、今週20日(木)から始まります。

彼女の描くのは、どこかで見た風景、実際の風景、思い出の中の景色…
行ったこともない場所だったりするのに
どこか身近な、なつかしさも呼び起こすような景色。
普通の油性色鉛筆をたんねんに重ねる、独特の描きかたで
優しい穏やかなような世界をつくっていきます。

会場は多摩市の京王百貨店聖蹟桜ヶ丘店のギャラリー。
聖蹟桜ヶ丘は新宿から特急で30分ということで、
東京じたい僕はよくわかってないのですが、郊外なんですね、
アニメの「耳をすませば」のモデルになった町ということをききます。
そういえばあの猫を追って歩く駅前に京王のマークを見たような。
…図書館へつづく細い径をゆく場面は好きだったのを覚えています。

新作を中心に色鉛筆画が約30点、原画を忠実に再現したデジタル版画も20点前後。
先日の西宮のようなワークショップは今回はありません。

東京といっても中心部からは少し遠いのでしょうね、
お買い物ついで、というのも違うかも、都心のかたには郊外を見に行く…?
とにかく今のところ今年は東京での展覧会予定はこれだけ、
ご興味あるかたはぜひ、お近くのかた、
沿線にお住まいのかたもぜひ、お越しいただいて、
ご覧になっていただければ幸いです。
渡辺美香子本人は土日に会場に行きます(僕は大阪にいます)。

・・・・・・・・

~心やすらぐ世界~
渡辺美香子色鉛筆画展

2011年1月20日(木)~26日(水)
京王百貨店聖蹟桜ヶ丘店 7階 京王ギャラリー
午前10時~午後6時30分(最終日は午後4時閉廊)
作家在廊日 1月22日(土)23日(日)午後2時~5時

京王百貨店 聖蹟桜ヶ丘店
新宿より京王線準特急・京王八王子行で5駅26分
聖蹟桜ヶ丘駅降りてすぐ。
http://www.keionet.com

渡辺美香子HP http://www.eonet.ne.jp/~mikakoworld/index.html
渡辺美香子blog http://ameblo.jp/immk709/
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by ichirographics | 2011-01-18 10:25 | 展覧会

手間ひまかけて

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いま、自分たちの商品をつくっています。
とはいっても専門の会社の知恵と力を大いにかりて
どこから手をつけようと思っていたのが
だんだん、形になってきました。
最初は手づくりでまかなえるロットを
だけどそのまま量産してもだいじょうぶな形で。

幾夜を徹して 大事な区切りには駆け込んで。
ものづくりは本領ですが、自分たちの事なだけに
また自分でするしかないだけにもう、大変。

出来た、さあというときに
思わぬところから
思えば良いタイミングでアドバイスをもらって
少し足踏みしたり。

きょうは近くでみていてくれた人が
気づかなかったことをさし示してくれて
見直すこと、
一日かかりましたが

手間ひまかけて ものをつくること
その意味を あらためて教えていただいて
きびしさと有り難さを味わった、結果的にいい一日。

あと少しです。
もう少しで形がととのって
世に送り出すまでもう、ひとふんばり。
いろいろ思う日。
街の滝も凍って、きらめいた日。
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by ichirographics | 2011-01-17 01:42 | 伝える

本の紙のおもてと向こうがわと

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休日の電車。

もぞもぞ、肘をぶつけられ

揺れながら化粧する女と

イヤホンから洩れ突きささるスネアの傍らで

読書すること



鳥の子色の紙の上とうらがわと

うつったことばの柔らかいこと。



*

大岡信詩集「水府 みえないまち」
(1981年 思潮社 / 装幀・吉岡実) を読みながら
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by ichirographics | 2011-01-10 14:09 |

寒の入りに

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きのう、Macの動きがおかしくなりました。
Photoshopメニューの半分くらいがグレー表示になるし
フォルダを開こうとしたら反転/ポジの点滅を繰り返すし。
Classic環境のほうですが、とても大切なマシン。
けっこう焦って犯人探しをしたら、どうもキーボードがおかしい。
別のマシンのキーボードを仮につけると、問題は消えたよう。

バックアップも万全に、環境を整備しないと、と思いながら
ずっと手つかずだったところをやられた思いと、
これは警告だな、感謝しないと、という思いとふたつ。

で、帰りに日本橋でキーボード買って帰って。
今朝、それを持って出るのを忘れました。
なんてこった。

そんな仕事始め。

朝刊には今日が寒の入り、とありました。二十四節気の小寒。
打合せに行く途中、街は冷蔵庫の中を歩いているみたいに冷えきって。
これから節分まで、一年で最も寒い「寒」に突入です。
酷暑の夏といい、この冬の大雪といい、異常はまだつづきそう、

寒さに負けず頑張らないと。とばかり思ってると身体がガチガチになるので
いつでも柔軟に、
日々、楽しみながら行きたいな と、
年頭にあたっての抱負です。
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by ichirographics | 2011-01-06 18:07 | 身体感覚

古い家

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あけましておめでとうございます。

*  *  *

お正月。
僕は団地っ子で、高度成長最初期の核家族で育ったので
あまり大勢で集まるというのはなかったのですが
それでもたまに、ふだん会わない親戚やだれかがあつまる場では
緊張するような、だけど賑やかな雰囲気に
しだいにほぐれて 不思議に心地よかったのを覚えています。

年末、国際先住文化デザインネットワーク(Indigo)主催の
Mother Tongueというオンライン展覧会に作品を出品しました。
固有文化としての母国語。その力と役割について、自らの思い、
解釈を提出しあうという文化交流プロジェクト。
世界中から集まった作品は近日、web上で公開されるということです。
画像は、その出品作です。

これは元々は、アートスペース土塔庵のために考えたもので
奏でる・語る・楽しむ。三つの漢字のかたまりが、
なぜかちらちら、きらめく不思議な画像です。

で、これに英語の要約をつけようとして、考えてるうち
古い家・・old house、old house、・・・が音になって、メロディに。
そうして古謡みたいな、うたが出来てしまいました。

イングランドのケイト・ラスビーが、歌ってくれるのがいいなあ。
あと、イアン・カーのようなギターと、親密な感じのアコーディオン、
間奏でロー・ホイッスル…。
そんな演奏を、つくれたら、いいな。という初夢。です。


うたになった内容は、

古い家で、お祖母ちゃんが古い曲を、奏でてくれる。
お祖父ちゃんは、昔語りを。
お母さんは、子守唄をうたってくれて。
みんな、集まってきて。
古い家で、昔の魔法が、ぐるぐるまわる。

……そんな感じです。


新年。
新しい、まだ見ない世界へ、という思いとおなじくらい
古きをたずねて、知りたいという思いが強くなってきました。

今年もよろしく、お願いします。


Old House

Lyrics by Ichiro Watanabe


An old house. In an old house,
gramma would play me a tune.
Di di di da di di di di di dum.
An old house. In an old house,
di di di da di di di di de dum.

An old house. In an old house,
grampa would tell me a tale.
Di di di da di di di di di dum.
An old house. In an old house,
di di di da di di di di de dum.

An old house. It's an old house,
mommy would sing me a song.
Di di di da di di di di di dum.
An old house. It's an old house,
di di di da di di di di de dum.

An old house. In an old house,
folks would gather around.
Di di di da di di di di di dum.
An old house. In an old house,
di di di da di di di di de dum.

An old house. It's an old days,
magic goes round and around.
Di di di da di di di di di dum.
An old house. In an old house,
di di di da di di di di de dum.
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by ichirographics | 2011-01-01 06:56 | つながる