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しおりのゆくえ

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スピン、といいます。と、
出版社の人にむかし教わりました。
しおりひも。
あるいはただ、ひも。

本の、読んだところに挟みます。役割としては。
Bookmark、と言えば確かに機能をあらわしていますが
何かしっくり来ない。
お気に入り、とは呼べないし。

お気に入りと言えば
読んでる間、背の向こうに垂れさがってるのを
指にくるくる巻きつけてみたり
編目の感触を無意識に楽しんでみたり。

は機能とは言えないけど

内容によって、見返しや花ぎれとあいまって
色変わりであかるくしたり、シックにしたり
本の表情を変えるのは、補佐的だけど大事な役目。

そんなしおりひもは
文庫本では新潮文庫についていて、
でもブックオフで買うと、これが切れています。

天面と小口を、グラインダーか何かで削って
古本をきれいにする工程でどうしても切れてしまうのでしょう。

汚れた面をきれいにして、本を再生してくれるのは良いんだけれど
この、生えぎわで切断されたまま本文に挿まっているひも。

しおりとして使えるか、やってみたけど
どこにもくっついていないひもは、頭をまっすぐ出して挿むしかないし
ひらくとするりと落ちてしまいます。

切れた、ひも。

どうしたらいいんだろう。



* * * * *


田辺聖子さんの本を、はじめて読んでます。
「文車日記 ‐私の古典散歩‐」
ページをゆっくり、繰りたい本です。

by ichirographics | 2011-03-03 12:08 | 身体感覚

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