いま、グラフィス。

d0181344_17124577.jpg

僕の作品が掲載された“Graphis Design Annual 2011”。
(掲載・授賞については7月、ここに書きました。)
先月事務所に届いたのを、そのときおそるおそる、ぱらぱら、見ただけで
こんどゆっくり見よう、と思って、すごく気になったまま、やっと
今日、はじめてじっくり読みました。

グラフィスはスイス発祥のデザイン誌で、
1944年にチューリッヒで創刊されて以来、世界のグラフィック・デザインの
指標となる作品を紹介してきました。
雑誌としてのグラフィスは終刊、本社は米国NYに移転していますが、
雑誌と並行して、デザイン、アドバタイジング、写真、ポスター、といった
各ジャンルごとの大判の年鑑を、いまも発行しています。
いまGraphis あるいはグラフィスで検索すると、
全然べつのサイトが出てきてびっくり、時代だなあ、と思うのですが、
僕たち同年代とそれ以上の年代のデザイナーには、このGraphisと、
あとCA(Communication Arts)などを見て育った人が多いと思います。
夏に会ったことを書いた、ラルフ・シュライフォーゲルも、たしか
Graphisの表紙を手がけています。

2011版。冒頭に、イン・メモリアムとして物故会員の名が挙げられていて、
そこに、僕がぼんやりイラストレーターを志していた20才の頃
マーク・イングリッシュと並んで憧れていた、バーニー・フックスの名を見つけて
思うものがありました。

掲載作品を、順に見ていくと、アニュアル・レポート、本、ブランディング…と
まだ最初のほうの頁で、掌に汗がにじんでくるのを感じました。
ビジュアル、タイポグラフィ。表現のレベルの高さがだんだん、
ひしひしと聳え立つようにやってきて、身震いするほどです。
そこに、同じ場所に、僕がいることへの、畏れを、感じました。
日頃、何かにつけ、びびっても仕方ない、と自分に言い聞かせてるのとは
…いや、同じことでしょうか。選ばれた事実はしっかり、受け止めないと。

とにかく、美しい。デザインが、表現されたことばとして、強い。
全体として感じるのは、歴史を背後に控えたデザインの豊かさです。
(ちなみにプラチナ・ゴールド両賞の授賞者の地域分布リストをみると、
アメリカ合衆国中心の、ちょうど野球のようなフィールドです。)

僕の今回の作品は「もうひとつの日本」のテーマのもと、
単一性、と思いがちな日本文化の背景には、他の、アジアの文化の多様性がある…
という発想を表現したポスター。そのテーマによるのかもしれませんが
こうやって掲載頁をみると、思いっきり日本、アジア!となることに
あらためて自分の拠りどころ、ルーツを認識させられます。

そしてあらためて周りを、というのはこの本の前後をみて、ですが
ほんとうに思うのは、
想像力だけで、どこまでいけるだろうか ということです。
僕の持っているのは、それだけなのです。


・・・・・・・・・・・・

プラチナ賞を受賞したポスターはこちら、Graphisサイトに、まだ、掲載されています。
赤いお椀です。
http://www.graphis.com/latest/winners/annuals/design/?book=53

d0181344_17132043.jpg

[PR]

by ichirographics | 2010-10-19 17:19 |

<< 手の作業 いただきもの >>